TOP > しるべラボ > 子どもの絵が動く作品展を、幼稚園に無料で作りたい
「幼稚園児にウケるアプリって、AIで作ってる人いるのかな」と思って調べました。紙の絵が壁で泳ぐやつは帯広まで来てたけど中標津には来てない、480円で絵が惑星の上を歩くアプリを元ソニーの人が一人で作ってる、そしてAIが一番に薦めた実例は存在しなかった。最後に、園から頼まれたら無料で作ります、の話を書きます。
この記録のサマリ
作品展の絵と工作を、スマホで1枚ずつ。ログインなし。10秒
切り抜かれた絵が、教室の壁で一緒に動く。隣の子の恐竜と並ぶからウケる
お便りのQRを読むと、うちの子の絵だけが動く。おじいちゃんに送れる
年少から年長まで、その子の絵が年齢の札つきで残る。園を出ても持っていける
こんにちは。
中標津でコワーキングスペースmilkをやってる久保です。
AIで現場の困りごとをなんとかする、みたいな仕事をしています。
今日は牛の話じゃなくて、子どもの話です。
【久保:ここに現場の光景を1つ。園の作品展で見た絵、持ち帰った絵がいまどこにあるか、園の先生から聞いた展示準備の話。どれか1つ。無ければ「園から持って帰ってきた絵、いまどこにあります?」の問いかけだけで始める】
園の作品展って、だいたい数日で片付くじゃないですか。
持ち帰った絵は冷蔵庫に貼られて、次の絵が来たら段ボールに入る。
で、あれを描いたときの「見て見て」の顔は、写真にも残ってない。
そこで、ふと思ったんですよね。
幼稚園児にウケるアプリって、AIで作ってる人いるのかな。
絵とか工作を立体にして、並べて、展示できるやつ。
調べました。
先に結論を言うと、いいものは実在してました。
ただ、一番いいと思ったやつが、無かったです。
AI(Grok)に聞いたら、8本くらい実例を出してくれました。
その中で、これだ、と思ったのが「LiveArt」。
先生が絵を撮ると、10秒でプロジェクターに飛んで、クラス全員の絵が同じ空を飛ぶ。
子どものアカウント不要。ブラウザだけで動く。家からもコードで自分の生き物を飛ばせる。1教室無料。
完璧じゃないですか。
園で撮るだけ、当日はみんなの絵が並ぶ、家でも見られる。
僕が作りたいものそのものでした。
で、裏を取りに行ったら、、、無かったです。
英語と日本語で20回以上検索して、AIが出典に挙げたサイトも見に行って。
出てきたのは同じ名前の別物ばかり。美術品の売買サイト、マレーシアの絵画教室、ネット通販の商品デザインの道具。
「クラス全員の絵が同じ空を飛ぶ」に一致するものは、どこにも無かった。
なので、ここから先は実在を確認できたものだけ書きます。
「トイフォーミング」というアプリです。
直径60センチの小さな惑星に、指で絵を描く。
するとAIが「これは雲」「これは人」「これは恐竜」と判定して、立体になって歩き出す。
雲を描くと雨が降って、海ができる。人を描くとお腹がすいて、食べ物を欲しがる。
作ったのは佐々木一知さんという方で、ソニーで『ワンダと巨像』や『ASTRO BOT』のキャラクターの動きを作ってた人です。
2021年に辞めて、一人で作り始めた。
2023年2月に出て、値段は480円の買い切り。
Google Playには「教師承認済み」のバッジが付いてて、対象は3歳以上。設定でひらがな表示にもなります。
これ、好きです。
何が好きかっていうと、子どもの線をきれいに描き直さないんですよ。
100種類ちょっとの引き出しのどれかに入れるだけ。
だから紫と緑の牛を描いたら「ナス」になった、ってレビューがありました(色の比重が大きいらしい、というのはユーザーの分析で、本人は「たまに気まぐれ」としか書いてません)。
親のレビューを読むと、その「意図と違う判定」がむしろ面白がられてる。
ここが、幼稚園児にウケる条件だと思うんですよね。
きれいになるより、自分の線が残るほうが嬉しい。
数字は正直、小さいです。
| 値段 | 480円(買い切り) |
| Google Playのインストール数 | 1,000以上 |
| レビュー | 30件ちょっとで4.6 |
できてないことも書いてあります。
描いたあとにフリーズして絵が消える不具合が報告されていて、「一生懸命描いたのに残念」というレビューに、開発者が「オートセーブをオンにしてください」と返してる。
それから、クラス全員の絵を1つの惑星に並べる機能は、公式には書いてありません。 あくまで1人1台の家庭用です。
たぶん日本で一番有名な「描いたら動く」は、チームラボの「お絵かき水族館」です。
紙に魚を描いて、スキャナーに通すと、目の前の大きなスクリーンで自分の魚が泳ぎ出す。
みんなの魚と一緒に泳いで、触ると逃げる。
北海道にも来てます。
2015年に千歳のアウトレット、2019年に道立帯広美術館、2022年に美唄市。
そしてこの夏も帯広でした。 7月11日から9月6日まで、十勝毎日新聞社の主催で道立帯広美術館。お絵かき水族館も入ってた。
先週終わったばっかりです。
でも、釧路・根室・中標津・別海で開催した記録は、僕が調べた範囲では見つからなかったです。
帯広が一番東。2回来てるのに、そこから先に来てない。
お金の話。
この夏の帯広は大人2,000円、3歳以上の子ども1,200円(前売はそれぞれ200円引き)。
呼ぶときのレンタル料は非公表です。
ただ美唄市がやったときは、市の主催で入場500円、中学生以下と市民は無料でした。
公共が主催すると、子どもはタダで見られる。
似た仕組みをイベント向けにレンタルしてる会社もあります。
日販テクシードの「おえかきパラダイス」。ファミリーイベントで1,000件以上の導入と会社が公表してます。
料金は要問い合わせで、レンタルに入ってるのはパソコンとスキャナーとコードだけ。プロジェクターと机は自分で用意。
これで面白かったのが、AIを使ってないことです。
あらかじめ用意した魚や恐竜の型に、スキャンした絵を貼り付けて動かしてる。
だから専用の用紙じゃないと動かない。
何を描いても魚の動きになる。
「動く」の正体って、実はこれで足りるんですよね。
紙の絵を切り抜いて、決まった動きに乗せる。
ここはAI無しで作れる部分です。
家庭用のアプリも4本、当たりました。
| アプリ | 出た時期 | 値段 | 公表されてる数字 | 弱いところ |
|---|---|---|---|---|
| Drawings Alive AI(米) | 2024年8月 | 月9.99ドル〜。無料お試しなし | 「2万家族」(自社発表)。レビュー45件 | 課金するまで1枚もプレビューできない、という不満が並ぶ |
| Draw to Life | 2025年9月 | 登録で5クレジット無料。月9.99ドルで40クレジット | レビュー3件 | 3〜8歳向けで音声案内、広告なし。ただし出たばかり |
| KidsAI | 不明 | 登録で10クレジット無料。月3.99ドル〜 | 非公表 | 日本語サイトあり。実績の数字がゼロ |
| Little Museum(日本・個人開発) | 2025年12月 | 無料・課金なし | 評価がまだ付いてない | iPhoneのOSが26.1以降のみ。日本語だけ |
Drawings Aliveの開発者が「AIの費用が高いのでサブスク必須」と書いてて、これはこれで正直だと思いました。
絵をAIで3D風や粘土風に描き直す、って毎回お金がかかるんですよ。
だから月1,500円くらいが相場になってきてる。
でもこの4本、さっきのトイフォーミングと方向が逆なんです。
子どもの線を「描き直す」派。3D映画風にきれいになる。
幼稚園児本人がどっちを喜ぶかは、まだ誰も測ってない(僕の勘は「そのまま」派です)。
Little Museumだけ毛色が違って、日本の個人の方が無料で作ってます。
スキャンした絵が3Dの美術館の廊下に、「4さい3かげつ」みたいな年齢の札つきで並んで、歩いて見て回れる。
「1年前の今日」に描いた絵が通知で届く。
これ、なるほどな〜と。
持ち帰った絵の行き先を作った人がいる。
もうひとつ、調べて分かったこと。
園が保護者に写真を配る仕組みは、もう商品として完成してます。
「おうちえん」というアプリだと、園が月額8,000円、プラス園児1人あたり月300円。保護者側は無料。
50人の園なら月23,000円くらい。
写真にコメントを付けて配る、お便り、アルバム、卒園アルバムの自動生成まで付いてる。
それから、保育園やこども園がタブレットやシステムを入れるとき、国が4分の3を持つ補助金があります。
「保育所等におけるICT化推進等事業」。1施設最大130万円。
実施主体は市町村なので、中標津町や別海町の窓口に聞く形になります。
幼稚園は文部科学省の管轄なので、この枠に入るかは別に確認が要る。ここは分からないので、分からないと書いておきます。
道東の園がどのアプリを使ってるかは、僕の調べ方では出てきませんでした。
【久保:この辺の園がおうちえん/コドモン/紙のお便りのどれか、知ってたら1行】
ここまで読んで、たぶん分かったと思うんですけど、、、
部品は全部あるんですよ。
無いのは、これが1本につながってるもの。
最初にAIが「ある」と言った、あの架空のやつの形です。
僕が組むなら、こうします。
作品展の前日、先生が絵と工作をスマホで1枚ずつ撮る。
子どもにログインさせない。名前を打たせない。
撮ったら、切り抜きと「これは何の絵か」の判定だけAIにやらせて、あとは決まった動きに乗せる。
判定は外れていい。外れたほうが子どもは笑う。トイフォーミングの「ナス」がそれです。
ここが一番大事だと思ってて。
自分の絵だけ動いても、弱いんですよ。
隣の子の恐竜と、自分のナスが、同じ壁で並んで動くからウケる。
お絵かき水族館が10年以上ずっと巡回してるのは、たぶんこれです。
必要なのは、園にあるテレビかプロジェクター1台。
おえかきパラダイスの機材の中身が「パソコンとスキャナーだけ」だったのは、そういうことです。
お便りにQRコードを1つ載せる。
読むと、うちの子の絵だけが動いてる。
おじいちゃんに送れる。
年少・年中・年長と貯まって、卒園したら全部持って出られる。
先に言っときます。絵も写真も、その子と園のものです。
うちが預かって囲い込むことはしないし、やめるときは全部持って出てもらいます。
3D化は、最初はやりません。
絵をAIで立体に描き直すと、毎回お金がかかるし、子どもの線が消える。
「切り抜いて、漂わせる」で足りると思ってます。
足りなかったら、そのとき考えます。
作る前に、園に3つ聞きます。
3つ目が無ければ、そこから。
2つ目が決まってなければ、作る前にそこを決める。
1つ目は、この記事を読んでる保護者の方にも聞きたいです。
ここまで書いて、気づいたんですけど。
お絵かき水族館は帯広まで来てて、中標津には来てない。
道東の園が自前でやった記録も、見つからなかった。
誰もやってないなら、僕がやりたい。
なので、中標津・別海・根室・釧路のあたりの幼稚園・保育園・こども園で、「うちの作品展でやってみたい」という園があったら、最初の1園は無料で作ります。
条件は2つだけ。一緒に試してくれること。うまくいかなかったところも、この場所に書かせてもらうこと。
先生でも、保護者の方でも、園長先生でもいいです。
【久保:無料の範囲をここで1行で切る。例=「作品展1回ぶん。機材は園にあるものを使う」。番頭の案は道東1園・最初の1回・記事化が条件】
それと、園から持って帰ってきた絵、いまどこにあります?
冷蔵庫か、段ボールか、もう捨てたか。
それを教えてもらえるだけで、作るものが変わります。
毎週水曜の19時、中標津のmilkで「ともてっく部」っていう部活をやってます。
こういうのを、僕の画面をそのまま見せながら動かしてます。
うちでもできる?と思ったら、のぞきに来てください。見るだけでOK、パソコンもいりません。
(僕の理解で書いてるので、間違ってたりもっといいやり方あれば教えてください。とくに「LiveArt、実はあるよ」という方、ぜひ)
では、また。
金額と仕様は、どれも各社・各人が公表してるものです。しるべが測った数字じゃありません。
よその実例を、道東の条件に置き換えて考えるのが僕の仕事です。「うちの場合はどうなる?」の一言から始まります。相談は無料、その場で叩き台を出すこともあります。